自然の中で

-玉ねぎ・じゃがいも・麦-実りを予感させる5月の一週間

5月5日は24節気の『立夏』でした。春分と夏至のちょうど中間に当たる日です。
「目に青葉、山不如帰-ほととぎす-、初鰹」と詠んだ俳句が有名ですが、ちょうどこのころ。

この一週間は、最後の夏野菜の定植と、さつまいもの畑づくり、枝豆用の黒大豆のタネを蒔くなど、まだまだゆっくりできる様子はありません。
畑を空けるためにと、玉ねぎを一斉に収穫しました。このあと軒下に吊るして乾燥させます。

これでほんの一部。全部で5万本を植えている。もちろん植えるときも草を取るのも人の手で。

暖冬だったためか、土が良くなってきたのか今年の玉ねぎは特に大きい。定期便のお客様には安心してお届け出来そう。

 

今年はとても順調に季節が移り変わっているように感じます。おかげで、玉ねぎもさることながらじゃがいもの生育も良い。畑仕事に勤しむ私達にも、気持ちのいいシーズンです。ただし、これからやってくる過酷な夏を思うと、今からしっかりと体力をつけておかなければと気合が入る。

数週間後にはじゃがいもの収穫も始まる。家庭では常備しておきたい野菜。玉ねぎ同様十分にお届けできるはず。

若い二人が農園主佐藤の話に耳を傾ける。過酷で派手さもなく、一見時代にはそぐわないこの農業。若人二人は何を思うか。

 

連休が明けたためか、水曜日の直売は大盛況。常連さんはもちろん新たなお客さんの顔が目立ち、リピートへつなげるためにも説明に力が入ります。

ひとりふたりとお客さんが増えてきて、近隣の地域には浸透し始めた。他の曜日にオープンさせる日も近い。

 

人にとって過ごしやすい気候であると言うことは、虫にとってもそうで、今週から特に青虫の食害が目立ち始めました。キャベツは特に狙われやすく、少しの間でレース状にされてしまうことも多々あります。

春と秋の虫対策にはいつも悩まされる。露地栽培である以上仕方のないことだが…

 

体験会で皆さんに蒔いてもらったタネがきれいに発芽しました。が…
仕方のないことですが、やはり蒔きすぎてカイワレのような状態になってしまいました。

この見事な密集率。体験会でのことでなければ、とんでもなく叱られるレベル。さて、どう対処しようか…

 

むかし野菜流密集栽培-夏バージョンがこちら。
夏野菜を植えたあとの空いたスペースを最大限有効活用して、葉物野菜を育てます。

ピーマンの脇をぬって青梗菜が育っているところ。夏野菜と葉物野菜の成長スピードの違いが上手くマッチする。

 

今年は、麦も大いに期待が持てそう。見るからに勢いがよく、後半月ほど後の収穫が楽しみ。また、その小麦や、はだか麦、古代小麦をつかった加工品が今年はどんな味になるのか。みなさんもご期待下さい。

これから黄金色へ変わっていく。その景色は本当に美しい。

 

4/21.4/28農園体験会を開催しました。

よく晴れた4月のおわりに、2週に渡って農園体験会を開催しました。
参加いただいた人数は、21日が100名(うち子ども50名)、28日が120名(うち子ども60名)と沢山の方がむかし野菜の邑へ訪れてくれました。

むかし野菜の邑を支えてくださっているお客様は、ほとんどが関東と、福岡に集中していて、地元大分での認知と普及がこれからの大きな課題です。
地元大分で食や健康、地域社会の農業のあり方に、少しでも興味のある方へ私達の活動の一端を伝えるべく、農園体験会を開催する運びとなりました。

ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。


堆肥つくり

むかし野菜の根幹である「草木堆肥」を作る工程を体験しました。

  • 草と木を主原料にする理由とは
  • 野菜を美味しくする「土」のちからとは
  • 堆肥の中で活動する無数の微生物のはたらきとは

堆肥つくりは、最も大切な仕事です。これがなければ、むかし野菜はむかし野菜ではなくなります。味と、香り。歯切れの良い食感。それを生む「土」を作るためのミネラルや微生物の働きの話を交えながら、実際に草を広げ、牛糞と、チップを上に広げてもらいました。
堆肥つくりの過去の記事はこちらhttp://mukashi-yasai.moon.bindcloud.jp/wlwp1/2019/02/01/

種まき

サラダセット・小松菜・青梗菜のタネを蒔いて、水やりまでを体験しました。夏野菜と春野菜の同居するこの時期特有である、夏野菜の合間をぬって、畑のスペースを最大有効活用する「むかし野菜流タネまき」を行いました。

  • まきすぎ、少なすぎに注意
  • 土のかけかた
  • 水のやりかた

簡単そうなタネのまき方も、そのひとつひとつの丁寧さで、最終的な出来栄えに大きく影響します。また、あの小さなタネの一粒が成長して、美味しい野菜になる。そんな生命の神秘も少し感じられたと思います。

おやつ作り

自家製小麦のスコーンとビーツのジャム・自家製きなこで食べるやせうま。団子を上手にのばして、沸騰したお湯に入れ茹でる作業を体験しました。自家製きなこは前日に焙煎して、風味と大豆の味をしっかり感じてもらいえるようにと、準備を整えました。昨年収穫した分の小麦粉は野菜饅頭などで好評だったため、すでに在庫がありませんが、6月の中頃には今年の収穫ができます。今年はいまのところとても順調に生育していて期待が持てそうです。

収穫体験

実際に畑では、どのように野菜ができているのか?草木堆肥のみで育った多様性に富む土を踏みしめながら全身で感じてもらいました。

  • 人参
  • 大根
  • 玉ねぎ
  • ブロッコリー
  • 青梗菜
  • スナップエンドウ

農園ランチ

待ちに待った農園ランチ。一日を通じて体感してもらった「土作り、タネまき、収穫」を農園ランチで締めくくり、最後は食べて感じてもらいました。すべてのメニューのほとんどを農園の野菜で作るランチメニューは10種類以上。麦ごはんのおにぎりにはじまり、スープ、漬物各種、コロッケ、ピザ、わけぎのヌタ、コールスロー、ちしゃもみ、ビーツの茎で作るキンピラ、ビーツのサラダ、ビーツの酢漬けなどなど。

子どもも大人もみんな口いっぱいに頬張ってむかし野菜の味を楽しんでいただきました。

 

関東・福岡中心のお客様の数をこれからは、地元である大分へもっと浸透させたい。また、健全な土作りから健康な野菜、地域社会の発展と明るい家庭への架け橋ととなるように。そして一人二人とお客様の輪が広がっていくように、むかし野菜の活動はこれからも続きます。

春と端境期

「苗半作」という言葉があります。
丈夫で良い苗を作れば、もう仕事は半分できたものと同じという意味です。
それだけに育苗には大変な時間と労力が必要です。

今、ピーマン・トマト・なす・胡瓜などの夏野菜の苗作りが急ピッチで進んでいます。
みなさんに美味しい露地栽培のむかし野菜をお届けするために、一番大切な仕事です。

丈夫で元気な苗を作ることができれば、あとは大丈夫。ただし、それがどれだけ難しいことか…

 

今週は、天気が良く晴れたものの、風が強く冷たい風が吹きました。
寒の戻りというやつでしょうか。この晴れ間をチャンスと、滞っていた堆肥作り、庄内の麦踏みなどバタバタと畑仕事を終わらせていきました。ごぼうのタネを蒔き、ジャガイモを植える。空いた畑へ堆肥を入れて次の作付けの準備をする。ブロッコリーの草を取り、土を寄せる。雨つづきで出来なかった仕事が今週は捗りました。

収穫を終えた菜の花。トラクターで漉き込み、堆肥とともに微生物の餌として畑を肥沃に変えてくれる。

 

季節は進む

季節が進み、足早に春がやってきています。路地には小さな花がたくさん咲き、ウグイスの鳴声を聞きました。「あぁ、春ですね。ちょっと一休み。」とはいかないのが畑仕事。畑に春がやってくる、それはつまり、ほどんどの野菜に花が咲き、出荷できる状態ではなくなるということ。

「トウ立ち」と言い、植物として自然な生理現象です。子孫を残すためにエネルギーの流れを葉や茎から、花とタネへシフトさせていきます。
風に煽られても簡単に倒れてしまわないように硬い筋で身を守り、蓄えた養分を花とタネへ回します。もっとも、草木堆肥・低チッ素での栽培であれば硬くなりにくいのが、むかし野菜の特徴でもあります。

大根・ネギ・レタス・人参・カブ・水菜・青梗菜・小松菜・白菜・キャベツ。
冬を越えて春を迎えるほとんどの野菜は「トウ立ち」する仕組みになっています。気温や日照時間の変化を敏感に感じ取っていて、一分の狂いもなく花を咲かせる野菜たちを見て、何万年もかけて作り上げられた自然のサイクルに思いを馳せます。

青梗菜も上に上に伸びようとしている。

サラダ小松菜の蕾。これも菜の花として食べられる。

水菜も「アブラナ科」例外なく花が咲く。

赤い大根「もみじスティック」もこの状態。

聖護院大根はごらんのとおり。

 

端境期

こうやって春を迎えた野菜たちが一斉に花となって商品がなくなっていきます。これから夏野菜を収穫することができるまでポッカリと空白期間が出来てしまいます。これを「端境期-はざかいき」といい、むかし野菜の邑ではあの手この手で工夫を凝らし端境期を作らないように努力を重ねています。

毎週の野菜を楽しみにしてくださるお客様が目の前に居る。決して野菜を途切れさせるわけにはいきません。
種まきのタイミングを調整する。作付けの量を増やす。年間100以上の野菜を回転させる。加工品や海産物で商品のバリエーションを確保する。

まだまだやれることはあると思いますが、自然の力には抗うことはできません。最善を尽くし、精一杯できることをやっていきます。

次回は、野菜が出荷されるまで。出荷日の一日をお伝えしたいと思います。
では、また次の金曜日に。