大分にも雪が降り、束の間の雪景色となりました。
翌日には解けて元の景色にもとどおり。

5、6番の畑。午前中は強く吹雪いたが、午後になると晴れ間が見えほんの一瞬だけ冬らしい表情に。

むかし野菜をむかし野菜足らしめるもの、
それは紛れもなく「草木堆肥」です。その「草木堆肥」のことをどれだけ知っていますか?何が入っていて、なぜいいのか。今日はそんな「草木堆肥」のことをお伝えします。

読んで字のごとく「草」と「木」を主な原料とする肥料(肥料といっても窒素分は極端に少ない。)のことで、他の有機農法と大きく異なる部分です。種々雑多な草や木を混ぜ合わせるため、無限に近い微生物と菌が活発に生きています。初めは混沌とした中、微生物たちの活動も自然と均衡が保たれ、特定の菌が一人勝ちする事はありません。まさに自然のサイクルです。

農園で開催する体験イベントでは、「堆肥づくり」が一番盛り上がる。

「草」

まずは堆肥の原料を調達することから始まります。
草を刈り取り、それを軽トラックに積み込む。時折、造園業者から河川敷などの整備をした後の草が持ち込まれるので助かっています。ススキや茅、道端の草、畑の畔、などどんな草でも様々な微生物や菌が付着していますので良質な原料となります。

「木」

造園会社から、街路樹の剪定枝が大量に持ち込まれます。このままでは使えませんので、破砕機にかけ粉々にしたのち、葉と小枝とに選り分ける必要があります。
木は地中深くに根を張りたくさんのミネラル分、と微量な元素を枝葉に取り込むため、野菜にとって必要な栄養素を補給することができます。

「牛糞」

発酵を促す目的と、肥料として最低限必要な窒素分を補給するため全体の一割ほど混ぜ合わせます。抗生物質を多く含む配合飼料を与えないこと。乳牛であること。(品質の保持のため常に牛舎を清潔にしておかなければならない)といった条件をクリアする酪農家を現地に赴きしっかりと選んでいます。

この原料を元に、堆肥作りを行なっていきます。

  1. 草を約半反ほどの広さ(一回分)に均等に広げていきます。草の塊があちこちにあるままだと、発酵がうまく進まずに腐敗してしまいます。一番重要、かつ最もハードな作業です。
  2. 草の上に牛糞・葉や破砕屑の順で3層に重ねます。やはりムラなく均等に広げるのがコツです。
  3. トラクターでしっかり混ぜ合わせ、タイヤショベルで高さ2メートルまで積み上げる。ビニールをかけ1〜3ヶ月(夏場で1.5月)寝かせる。その間数回切り返しを行いようやく完成です。
  4. 完成した堆肥は、嫌な匂いがありません。深い森の中、カブトムシを取りに行った子供の頃の記憶が蘇ってくる。そんないい匂いがします。

真夏の堆肥作りは、過酷そのもの。これもむかし野菜のため。

今でこそ機械の助けがある。それでも畑が増え、穀類生産もとなると慢性的に堆肥が足りない。

持ち込まれる剪定枝。ミネラル、微生物、放線菌の宝庫。

大型の機械を使い、枝を粉々に砕く。

数え切れないほどの微生物と放線菌の住みかとなる。彼らが土を耕し、豊かな金の土を作ってくれる。

毎月1〜2回、この堆肥作りを行い全ての畑へ、繰り返し繰り返し投入していきます。今では、このように自ら堆肥を作る生産者がいなくなってしまいました。単純で簡単な化成肥料を使い、手っ取り早く収穫高を上げることが、農業の在り方として主流になり、矛盾を感じることなく消費されています。有機農業の現場でも、大手メーカーから購入した有機肥料で作物を育てているのが現状です。

事実、あまりにも多くの労力と時間、手間がかかります。その対価としてどれだけの理解と評価が得られるのでしょうか。まだまだ伝えたい事ばかりですが、またの機会にお伝えできればと思います。

次回は、加工品の中でも人気の高いお漬物についてお話しします。
ではまた次の金曜日に。